フランス歴史ろまん マリー・アントワネットの故郷
マリー・アントワネット
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 王宮家具博物館 2
    
- シシィ  エリザベートの時代 -
皇帝の玉座


時代は進んでこちらの部屋は、皇妃エリザベートや皇帝フランツ・ヨーゼフにゆかりのある家具などが展示されています。


皇帝フランツ・ヨーゼフの玉座の周りはまぶしいくらいに明るくて、その前のケースには王冠がずっらりと並べられていました。



皇帝のひとめぼれで結婚したふたりだけど、この一家も波乱に満ちいて決して幸せとは言えないというか不幸でした。

宮廷生活が合わなかったエリザベートはほぼ家出状態でウィーンを避けるように旅を続けたそうですが、皇帝はとてもエリザベートを愛していたようだけど、真面目すぎて母親の言うことばかり聞いてる夫にエリザベートは嫌気がさしたのかもしれませんね。



皇帝は息子ルドルフとの間にも確執があったようです。
時代は進んでいき帝国自体がもう時代遅れだったのでしょうか、皇太子ルドルフと皇帝は政治や世の中に対する考え方が合わなかったんですね。

真面目な父親は仕事中毒、母親はほぼ家出状態。

愛情に飢えていた皇太子ルドルフがこの一家の一番の犠牲者なのかもしれません。
そのルドルフは結婚しても妻を愛することが出来ずマリー・ヴェッツェラという恋人を持つのですが、父との確執、重圧をかかえたまま、ルドルフはマリー・ヴェッツェラとウィーンの森マイヤーリンクで謎の死を遂げてしまうのです。
ふたりはピストル自殺を図ったと言われていますが、真相は闇の中・・・


息子を失った後も妻エリザベートの現実逃避の旅は続き、そのエリザベートも旅先のイタリアで暗殺されてしまいます。


皇妃エリザベート

等身大のシシィ(皇妃エリザベート)、確かに綺麗です。

このプロポーションを保つために無理なダイエットを重ね、自室でも常にトレーニングをしていたり、食餌療法と言って子牛の肉から絞り出した肉汁や血を飲んでいたそうですからね。
もうなんというかこの人の美意識というか偏屈というかわかりませんが、筋金の入った極端な考えや行動には驚くばかりです。

すべてがあまりに過剰なのは、やはり精神的にかなり不安定だったのかなと思ってしまいます。


写真のエリザベートの後ろにあるのが皇太子ルドルフのゆりかごです。

実際にはエリザベートは自分の思うような子育てはできなかったようです。
皇帝の母親であるゾフィー大公妃が完全に宮廷をとりしきっていたそうで、自由に育ってきたエリザベートにとってはうるさい姑との生活が耐えられなかったんですね。
板挟みの皇帝も大変でしょうけど、エリザベートにとっては言いなりの夫にもうんざりだったのでしょう。




体重計


エリザベートが使っていた体重計。

この横にエリザベートの幼少から晩年までの絵や写真がたくさんあったのですが、どれも綺麗だけど穏やかな雰囲気がだんだんなくなっていくんです。

自分の意思のままに生きたのだと思いますが、エリザベートにとって人生はとても苦しいものだったのではないでしょうか。

皇帝に一目惚れされ、皇妃になったことは決して本人が望んでいた人生とは違っていたでしょうし、自分を変えられるわけでもないとなると、この世で幸せになることは難しかったのかもしれません。
シシィの家具

エリザベートの生涯は映画にもなっているのですが、ここに保管されていたシシィ愛用の家具が、撮影にも多く使われたそうです。



映画のフィルムの一部を見ることが出来て、シシィを演じているのはロミー・シュナイダーという女優さん。


シシィが「もうこんな生活イヤッ!」ってやってる場面が繰り返し流れていました。


やはり嫁姑の仲はそうとう悪かったようです。


別の階でも映画シシィの映像とともに撮影に使用された家具で部屋を再現しているのですが、この博物館もとにかくシシィが多いです。
「またか!」ってくらい、本当にウィーンはシシィワールドです。





マリー・アントワネットの胸像

この建物には部屋にきれいに並べられている家具以外にも、押し込められるように置かれた椅子や照明などがこれでもかというくらい所狭しと並んでいます。
博物館ですが、そもそも倉庫なんですよね。


年代別に並べてられていた家具とは別に胸像の数々がずらりと置かれた部屋があったのですが、その中に見覚えのある顔が。



マ、マリー・アントワネットだ!
これを見つけたときはなんだかもう、やっと会えましたねって感じでした。


私には「シシィ、シシィってなに? こっちにいらっしゃい、私マリー・アントワネットよ。」
って言ってる顔に見えました。

こんな物置みたいな場所でその他大勢の中にいるのって、本人はきっと納得していないと思います。



この博物館では家具とは関係なくその期間だけのテーマ別の展示があるようで、私が行ったときはグレースケリーの写真展が行われていました。

特にファンというわけではないけれど、せっかくなので見ていきました。
グレースケリーの写真の数々を見て、やっぱり美人はいつ何処からどの角度で撮られても綺麗なんだと思いました。
それにうっかり変な顔で写っていたりとか、こういう美人はそういうことが絶対ないような気がします。


この博物館は中心街から離れているからか人が少なくて、各部屋ほとんど貸切状態でした。
ゆっくりじっくりと見ることができるのでオススメです。



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