フランス歴史ろまん マリー・アントワネットの故郷
マリー・アントワネット
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 ウィーン


マリー・アントワネットが生まれ育ったオーストリアにいつか行きたい!
と思い続けて、ようやくそれが実現しました。
と言ってもドイツを旅行することになり、その最後になんとか立ち寄ることが出来たというぐらいの短い時間でした。

南ドイツからオーストリアへの道のりは想像以上に素晴らしく、おとぎの国のような景色でした。


延々とのどかな風景が広がっていくので、最初はいいけどだんだん「退屈」になっていくとも言えるのですが、私はマリー・アントワネットがヴェルサイユの生活にウンザリしてプチトリアノンで生活を始め、さらに村里を造らせ、庶民の暮らしのまねごとをしたことを思い出し、その景色のなかずっとマリー・アントワネットのことを考えてました。


やりたいだけの贅沢ができても、最終的に求めるものはこれかと。
のどかな風景の中でただ「自然に暮らす」こと。
いや、それも出来るけど贅沢もできる。

都会に住んでるけど、緑に囲まれた別荘もあるのよという単なるお金持ちのやることのような。
確かにあの村里も決して自然に出来たものではなくお金がいっぱいかかっていますからね。


マリー・アントワネットのような境遇は想像だけでは真に理解できっこないので、あんまり深く考えてもいつも結論は出ないのですが、でもわからないからこそ、想像するということでいつまでも興味を持ち続けられているのです。








ウィーンの街はそれほど大きくなく、地下鉄などの交通機関も整っていてとても歩きやすいです。
街中にカフェもあって、それほど入りにくいということもないので適当な食事をするのに困ることもなく、なんていうかパリより気取った感じがなく、範囲も広くなくてすぐに把握できるから居心地がいいのです。


滞在が短かったせいもあると思うけど、この旅行から帰ってきてからもすぐにまたウィーンに行きたい!と興奮が冷めないくらいすっかり気に入ってしまいました。



それにしても街を歩いていてすごい人気だと思ったのがモーツアルトと皇妃エリザベートです。

リーザベトと「リー」を伸ばすのが正しい呼び方なのか?よくわからないけどエリザベートの方が言いやすいのでほとんどこう呼ぶことが多いようです。


とにかくモーツアルトとエリザベートは街中にいる。
本当にどこにでもいる。
このふたりしかいないお店もある(笑)
お土産というお土産がこのふたり、という具合で、チョコレートもほとんどがこのふたりがパッケージを飾っています。



モーツアルトは素晴らしい才能を持っていて、偉人のなかでも興味のある人物です。

モーツアルトにはお姉さんがひとりいたんだけど、それ以外の兄弟はみな亡くなってしまっているんですね。
この時代は生まれてきても成人する前に亡くなってしまうことも多かったし、健康に育つということはとても恵まれていることだったから、モーツアルトが幼くして才能を発揮して、それが世に出て、また後に語り継がれるような人生を送ったことはまさに選ばれた人だったんだと思うのです。



エリザベートについては以前に本を読んだこともあるし、シシィの愛称で親しまれ映画や舞台などでもとても人気があるとは知っていましたが、私自身はそれほど興味を持つことのない人です。

ハプスブルク家にも馴染めず、自分が産んだ子供を自分で育てることもできず、反発してほとんど家出状態で旅ばかりしていたというエリザベート。

時代は変化していて古い体質の言いなりにならず自分の思うように行動する、なにより彼女はたいへんな美貌の持ち主なので、行く先々でもてはやされたのでしょう。
確かに美人なんですが、肖像画に比べて実際の写真はやや険しいお顔が多いように見えます。

窮屈な王宮の生活に馴染めなかったことはマリー・アントワネットと同じなのですが、エリザベートにはマリー・アントワネットとは全く違う深い闇のような気質を感じます。
またエリザベートのとった行動は常人とはかけ離れていて、一般的な自己中心的という性格を超えて壊れているといった感じです。

ここでも歴史に「もしも」はないとは言え、皇帝がわがままを通さずに、素直にゾフィお母様が嫁にと決めていたエリザベートのお姉ちゃんヘレーネと結婚していれば・・・なんて思ったりもします。





ホーフブルク(王宮)

ウィーンの街にある王宮。

ここは皇帝一家の生活と政治の中心でした。

やはりこうして王宮が街の中心にあったというのは重要なとこかもしれません。

フランスはルイ14世の時代に、国王はパリから離れたヴェルサイユに生活を移してしまいました。


ルイ16世の時代に革命が起きたとき、民衆が強く望んだことは国王一家がパリに来て民衆と共存することでした。
王一家が最初からチュイルリー宮やルーヴル宮に住んでいたら、民衆との距離も違っていたのかもしれません。



王宮にはフランツ2世やヨーゼフ2世の銅像が堂々と建ち、マリア・テレジアは王宮から離れた美術史博物館と自然史博物館の間にあるマリア・テレジア広場の真ん中に、その像が立っています。

ある意味一番目立っていて、王宮をそこから見守ってるみたいでさすがテレジア母さん、貫禄がありますね。
おまけにマリア・テレジアと名のついたホテルまで近くにあります。


フランスのパリでは太陽王ルイ14世は何処にいる?
ルイ15世の騎馬像は革命期にぶち壊されてるし、歴代の王よりジャンヌダルクの方がフランスのあっちこちにいる感じです。


マリア・テレジアやエリザベートが愛され、首都ウィーンのあちこちに居るというのもやはり王宮がウィーンの中心にあったことが大きいのかもしれません。

ヴェルサイユにはいくらでもあるマリー・アントワネットのマグネットやポストカードやらを、パリで目にするのはコンシェルジュリー牢獄とか一部の場所でした。

確かに革命期の王妃だったマリー・アントワネットと比べるものではないけど、ここは何百年経っても市民が歴史と共に生活してるって感じで、ちょっとこういうのっていいなと思います。




マリー・アントワネットの時代からは少し進んでしまっていますが、王宮には現在も皇帝やシシィの愛称で人気のあるエリザベートの部屋などを見ることができます。


エリザベートってものすごくウエストが細かったんですけど、この時代ってウエストを締め付ける服だったから実際のウエストなのか締め付けたときのウエストなのか定かではないけど、一説には身長が170cm以上あってウエストが50cmって信じられない体型を維持していたらしいのです。


この人の美に対する執着はマリー・アントワネットのような華やかなイメージとは違う・・・


いきなり部屋につり革とかあるんですけど、それにぶら下がって運動してたってことで、
え?ダイエット器具〜!? ってもうビックリしました。



どんなときも自分が一番美しくあろうとしていたエリザベート。
ん〜、でも晩年の姿を見ると美人かもしれないけど優雅さというか余裕があまりないです。
理想と現実、いろいろ葛藤があったであろう彼女の人生があらわれているようなそんな表情ですね。



王宮周辺にはデーメルやツェントラルなどのカフェがあって、デーメルでマリー・アントワネットがフランスに伝えたといわれるクグロフを買ってみました。
どうってことのない焼き菓子なのだけどオイシイ!

クグロフはウィーンのホテルでは朝食にも出てきたくらいポピュラーで、スーパーではとても手頃な値段で売っていました。



アウグスティーナ教会

17世紀以降、宮廷教会としてミサや婚礼などが行われていたアウグスティーナ教会。

マリー・アントワネットもフランスへ旅立つ前の1770年4月19日、ここで兄のフェルディナントを代理人に結婚式をあげています。

こじんまりとした教会で、このときは明かりもついていなかったのですが、中にある「マリア・クリスティーネの記念碑」を見て、この教会が特別なものになりました。




マリア・クリスティーネとはマリア・テレジアの娘でマリー・アントワネットの姉ですが、この娘だけは恋愛結婚が許され、マリア・テレジアが子供たちの中でも一番に可愛がっていた娘だったようです。

ただマリア・テレジア亡き後、兄の皇帝ヨーゼフ2世との折り合いは悪く、母にえこひいきされていたクリスティーネをほかの兄妹はよく思っていなかったとか、まぁいろいろあったみたいですね。


教会に入って右手にあるその記念碑はマリア・クリスティーネの夫が彼女の死を偲んでつくらせたものなのですが、なんとも美しい作品で思わず立ち止まらずにはいられません。



国立図書館

王宮にの中にある国立図書館。


世界一美しい図書館だともいわれているそうなので寄ってみました。

約20万冊も収められているそうです。
図書館、といっても本はあちらの言葉ですし読めないので・・・
ひとつの芸術的な建物としてとても感動しました。

ガードマンがいて、変に触ったりガラスケースに寄りかかったりすると注意されるようです。


そのほか王宮には宝物館、銀器コレクションなどありますが、お宝いっぱい、銀食器がわんさかってもうお腹いっぱいって感じになるかもしれません。
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